HiSIM Research Center

HiSIM: Hiroshima-University STARC IGFET Model




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コンパクトトランジスタモデルHiSIMの概要

集積回路は膨大な数のトランジスタを組み合わせて様々な機能を作り出している。
この際に、トランジスタ特性を記述したトランジスタモデルを用いて、与えられた電圧に対するトランジスタ応答を計算して集積回路特性を予測しながら設計を進めていく。トランジスタ特性としては電圧に対する電流やトランジスタに蓄えられる電荷応答がある (図1参照。)


図1:トランジスタが回路特性を決定する原理。


トランジスタモデルの精度が回路特性予測の精度を決定するため、高精度モデルが要望されていた。更に、集積回路のトランジスタ数が多くなっているため、計算時間が短い(数マイクロ秒)ことも要望されていた。短い計算時間を実現できない場合、限られた時間以内に回路特性予想を実際できないことになる。上記の二つの要望を同時に実現することは非常に困難な課題であった。
HiSIM (Hiroshima-university STARC IGFET Model) はこれまでモデル開発に用いられてきた近似では高精度かつ短い
計算時間のモデルは開発できないとして、半導体の基本式に従って、トランジスタ内部のポテンシャル分布を用いた
モデルの開発を実施し、上記の困難な課題を達成した。
こうして生まれたHiSIMは世界初のポテンシャルモデルの実現となり、新たなモデル開発に指針を与え続けている。
因みに新たに開発されるモデルはほとんどポテンシャルモデルとなっている。モデルの特徴は、トランジスタ特性の高次の微分もスムーズで、複雑な回路特性予測が正確であることが実証されている。またトランジスの非線形特性についても無理なく記述できていることも大きなメリットとなっている。



図2:電流電圧特性(左端)の高次微分の結果。青点:測定値、赤線:HiSIM結果。


これまでにHiSIM Familyモデルのうち4個が世界標準に認定されて世界中で使われている。
もともとトランジスタ原理に基づいたモデルの開発を実施してきているので、様々な材料や構造のトランジスタが開発されても
迅速に対応できるということを、これまでの多種多様なモデル開発から実証してきている。


HiSIM コンパクトモデルのファミリーの概要と構成について 

 

4つのHiSIMモデルがCMCの国際的な標準モデルとして認定されました the Compact Model Council (CMC)
HiSIM_HV (2009年1月に第一版がリリース) : 高耐圧MOSトランジスタ標準モデル
HiSIM2 (2011年4月に第一版がリリース) :  バルクMOSFET の第二世代の標準モデル
HiSIM_SOI (2012年7月に第一版がリリース) :  SOI-MOSFET の表面ポテンシャル標準モデル
HiSIM_SOTB (2014年12月に第一版がリリース) :  薄膜構造やマルチゲート構造を持つ、SOI-MOSFET の表面ポテンシャル標準モデル
 
 
 
メインリンク
ISDCS 2021 (The 4th International Symposium on Devices, Circuits and Systems)
NGSPICE (HiSIM_HV 1.2.4版及び2.2.0版とHiSIM2 2.8.0版を搭載した電子回路シュミレータの公開ソース)
 
書籍出版

 著者: Mitiko Miura-Mattausch, Hans Jürgen Mattausch, Tatsuya Ezaki

 署名: "The Physics and Modeling of MOSFETS: Surface-Potential and Modeling HiSIM"

 出版社: World Scientific Pub Co Inc. (2008)